赤ワイン

▪️ワイン名 / ヒドラ
▪️国 / スペイン カタルーニャ
▪️生産者 / シクス
▪️ヴィンテージ / 2019
▪️ぶどう品種 / 2019に収穫した全てのぶどう品種をブレンド
▪️アルコール度数 / 10%


〜 ユニークな製法で造られるカタルーニャ赤ワイン！カシスやブラックチェリー、湿った土のような香りに、濃密な果実味と存在感あるタンニン、しっかりとした酸のバランスが最高！ 〜


＜生産者について＞
SICUS（シクス）の醸造家、エドゥアール・ピエ・パロメール氏は、100年前より続く25haの広大な土地を所有する農家の3代目です。祖父の代ではワインは自家消費のみで、その他のぶどうは大きなワイナリーに販売していました。父はトマトのハウス栽培。ぶどう栽培を主な家業にした事がない家系でした。小さい頃からあまり勉強に興味のなかったエドゥアール氏ですが、中学生の頃から醸造に興味を持ち、高校には進学せずワイン造りと栽培を教えてくれる専門学校に進みます。その後も醸造学と様々な視点からワインを捕らえようとソムリエのコースを履修。2009年に「シクス」を立ち上げます。
シクスとはギリシャ語の”SICCUS（シックス）”から来ており、「灼熱の大地」を意味し、地中海の渇いた大地を表現しています。

エドゥアール氏は哲学として「瑞々しい酸を保ちながら、地中海の自然をそのままボトルに詰めること」と語っており、彼のワイン造りは大量生産や造り手の介入が主体となったオリジンの見えないワインとは対極に位置します。
彼の畑に化学薬品が散布されることは一切なく、耕作機を入れることも滅多にありません。地中も含めた自然の生態系バランスを保ち、人間の介入を最小限に抑えることで畑が生み出す果実のポテンシャルを引き出そうとしています。

畑は全10ha。海に一番近く標高の低いチャレッロが栽培された区画“ラ・カセタ”、標高200mほどで砂礫の多いロームと粘土質の混ざった土壌の“オバガ・デル・ゴジョ”など、6区画に分かれています。全ての区画は山に囲まれており、豊かな生態系に恵まれています。2020年にはさらに6haを購入し、そのうち2haに植樹しました。栽培はエドゥアール自身が行っています。地中の生態系バランスも大切にするために自然農法で栽培され、地中有機成分は少なく、湿度も低い（乾燥）ため、トラクターで土を耕したり掘り起こすことはありません。草刈りも冬に動物を入れて食べさせます。ワインはオーガニック認定を受けており、栽培方法はビオディナミに近いです。

また、彼は動物愛護の活動にも取り組んでいます。最近では虐待されていたロバ2頭と保健所に引き取られていたドーベルマン2匹を引き取り、畑のそばで飼っています。ロバは背中もへこんでいて足も動かずとてもかわいそうな状態だったところを助け出しました。もうすでに30歳なので畑仕事をさせたりするのではなく、余生を畑でゆっくり過ごさせているそうです。　

こちらの赤ワインは、2019年に醸した後の全てのぶどうの澱を除去し、水平式圧搾機でプレスしたジュースをアッサンブラージュ。その後ステンレスタンクで発酵させ、アンフォラでマロラクティック発酵・熟成をさせる非常にユニークな製法で造られます。無濾過でボトリングしています。

ワイン名の「ヒドラ」は、亡くなった愛犬のドーベルマンの名前です。バックラベル近くには「1本購入するとドーベルマンの愛護団体に1ユーロ寄付される」というシールが貼られています。


＜テイスティングコメント＞
色調の濃い紫がかったガーネットの外観。カシスやブラックチェリー、湿った土のような香り。口に含むとボリュームのあるアタック、しっかりと存在感のあるタンニンが特徴的です。ブラックベリーの力強い果実味に加えて、スパイスや木の枝のような複雑な余韻も楽しめます。

2019年に醸した後の全てのぶどうをブレンドし造られる、非常なユニークなワインです。ワインマニアの方にはたまらない1本ではないでしょうか。味わいも濃密な果実味と存在感あるタンニンがありながらも、ベースにある酸がそれを支えているため、全く飲み疲れせずにお楽しみいただける1本です！