赤ワイン

▪️ワイン名 / アングレ カンパネタ
▪️国 / スペイン カタルーニャ
▪️生産者 / アルス ヘリピンス
▪️ヴィンテージ / 2018
▪️ぶどう品種 /  ガルナッチャ60%、スモイ40%
▪️アルコール度数 / 14%


〜 生産量わずか850本！あのアルスヘリピンスが手掛ける希少品種スモイ×グルナッシュの魔法！ 〜


＜生産者・生産方法について＞
アルス・ヘリピンスは、ペネデス地区の奥地にある標高700mの丘に樹齢60〜70年のスモイ、ガルナッチャをビオディナミ農法で栽培する家族運営のワイナリーです。 ワイナリー名のアルス・ヘリピンスは、愛娘のベルタがつくった物語に出てくる妖精の名前から取ったそう。1本1本丁寧に造られるため少量生産で、まるでその妖精がかける魔法のようにうっとりするワインを生み出しています。

当主のグロリアは『全てを決めるのはぶどう』と語り、醸造にも近代技術は一切使わず、昔ながらの手法でワイン造りをしており、毎年その年の気候やぶどうの状態を見て適した醸造方法を決めています。pH、残留糖度、アルコール度数なども記憶にはあってもデータとしては残さず、その年のぶどうと対話しながら醸造してるそう。
『自然の味わいのワインをつくりたい。可能な限り人間の介入のないワインをつくりたい。』とグロリアは言います。

アルス・ヘリピンスが管理する畑は約2500本のワインを造れるキャパがありながらも、常に最高のクオリティを目指し、最大でも1500本しかつくりません。生産本数の少なさと味わいの素晴らしさで、今では入手困難なワインのひとつとして知られます。
人気ワイナリーになると「セカンドラベル」という、質は及ばないものの安価で気軽に楽しめるキュヴェを作ることが多いのですが、グロリアは『アルス・ヘリピンスのワインは最高でなければ意味がないから、そういうものは造らない』と返したそう。

また、グロリアはカタルーニャ地方の伝統品種であるスモイを使用しています。スモイはペネデス地区に昔から伝わる固有品種で、酸度が高く、色が出にくく、タンニンが少ないため、醸造が難しいとされています。
昔は固有品種としてかなりの量栽培されていましたが、難しさや市場ニーズ、原産地呼称委員会の規制などにより、そのほとんどが国際品種であるカベルネやメルロに植え替えられてしまいました。現在では僅かな畑しか残っておらず、伝統品種の減少を悲しむグロリアは、スモイをメインにワインを生み出しています。

こちらの赤ワインは石灰を多く含み、花崗岩、黒鉛、石、石英など様々な土壌が混ざり合ったミネラル豊富な畑で育つ、古樹のスモイにガルナッチャをブレンドした銘柄です。
手摘みによる収穫。選果も手作業で一粒一粒行い、手作業での70％除梗、残り30％は全房。開放樽にて発酵、そのまま3ヶ月間マセレーションし、手動の垂直プレスにてプレス。フレンチオークの小樽で2つの葡萄をブレンドし、約1年熟成してボトリング、リリースされます。生産本数はわずか850本です。


＜テイスティングコメント＞
赤みがかった淡いルビー色の外観。熟したプラム、シナモンやリコリスのような甘いスパイスなど複雑な香り。口に含むとガルナッチャ由来の厚みある果実味、スモイ由来の酸味や上品なスパイス香が非常に上品に溶け合っている印象です。
口当たりはピノノワールのような繊細さやエキス感があり、思わずうっとりしてしまう程。繊細で上品ながらも、ビロードのように滑らかなタンニンがワインの骨格を支えています。

スモイは、今後WINE BROTHERSとしても力を入れていきたい品種の1つです。アルス・ヘリピンスを初めて飲んだのはおよそ10年前。あまりの複雑なアロマとその繊細さに衝撃を受けたのを今でも覚えています。このワインを扱えることに感謝するとともに、皆様にもこの感動を味わってほしいという思いです。