白ワイン

2022 Lomo De La Era / Bodegas Vinatigo

▪️ワイン名 / ロモ デ ラ エラ
▪️国 / スペイン カナリア諸島 テネリフェ島
▪️生産者 / ボデガス ビニャティゴ
▪️ヴィンテージ / 2022
▪️ぶどう品種 / リスタン ブランコ
▪️アルコール度数 / 12%


〜 カナリア諸島の緯度からは想像もつかない繊細で複雑で上品な味わい！スッと染み入るような酸と塩味のバランスが素晴らしい1本！ 〜


＜生産者・生産方法について＞
スペイン最高峰のテイデ山（3718m）がそびえる、アフリカ大陸に程近いカナリア諸島テネリフェ島。島の北側に位置するビニャティゴに16haの自社畑を所有し、年間約15000本を生産する家族経営のワイナリーのメンデス家。創設者のフアン・ヘスス・メンデス氏は4代目であり、科学者でもあります。彼はカナリア諸島の固有品種を絶滅の危機から救ったと称賛されおり、その科学的見解も駆使しながら、諸島の多様な気候と地質条件に適したぶどう品種や栽培方法を開拓し続け、カナリア諸島のワインの飛躍的な向上に貢献しています。
2017年、世界でワイン造りの研鑽を積んだ息子ホルヘをワイナリーの栽培家兼醸造家に迎え、若く柔軟な感性が加わって、更に世界から評価されています。

カナリア諸島は大航海時代に補給地として栄え、ヨーロッパ全域から様々なぶどう品種が持ち込まれ、試験的に植えられました。現在80種以上の品種があり、そのうち約40種は世界のどこにもない希少なものです。火山性土壌と隔離された地形により、世界的なフィロキセラ禍から守られたカナリア諸島は、自根の畑のオアシスとして存在し続けています。
諸島内に存在するテネリフェ島は東京都と同じくらいの面積。3700mを超えるテイデ山の影響で島の天気は変わりやすく、「亜熱帯気候」と一言でくくれない複雑さがあります。北部と南部、標高差で気温も降水量も大きく異なります。また、ぶどう品種も膨大な数の固有品種もあることから、収穫は7月下旬から11月まで続きます。

ミネラル豊富な火山土壌で育まれた自根の固有品種は樹齢100年を超えます。畑は海抜160m～1000mの様々な土壌でカナリア諸島の固有品種を栽培しています。それぞれの地区の区画ごとに収穫・醸造を行い、化学的な除草剤や殺虫剤を一切使わず、病害虫は自然由来の方法で対策しています。収穫方法は全て手摘みで、ぶどうが潰れないように15kgの箱に入れ醸造所まで運びます。さらにワイナリーに到着する際に-5℃から0℃で冷却し、二酸化硫黄の使用を避ける工夫をしています。醸造の際も発酵は野生酵母のみ使用。酸化防止剤はボトル詰めの前に極少量だけ使います。できる限り人為的な介入をしない、自然なワインづくりをしています。

北大西洋から吹く冷涼で湿った風アリシオスと、テイデ山の高標高とマグマの恩恵を享受したテロワールを、そのままグラスに映し出すようなワインを生み出し続けるビニャティゴ。ナチュラルで繊細な味わいの中に常にモダンと優雅さが調和するそのエレガントな味わいは、「独自性や多様性」を求める世界的に名高いジャーナリストやソムリエたちを魅了しています。

こちらの白ワインは樹齢120年以上の自根のリスタン ブランコを使用。畑は標高500mの単一畑。伝統的な"コルドン・トレンサード"（編み込み仕立て）の畑。砂質、粘土ローム、玄武岩質の石が多い、火山土壌。北から吹く冷たい湿った風の影響をダイレクトに受けるエリアです。ぶどうは手摘みで収穫され、醸造前に0℃の冷蔵庫で一晩寝かします。天然酵母でアルコール発酵、その後卵型コンクリートタンクで5ヶ月間熟成を経てリリースされます。
年間生産本数はわずか2320本です。


＜テイスティングコメント＞
輝きのあるレモンイエローの外観。カモミールやはドライハーブ、花の香り。口に含むとピュアな果実味に活き活きとした酸、塩味を感じます。 口内にスーッと染み入るような液体に、思わずうっとりするような味わいです。

カナリア諸島はアフリカ大陸に近いため、気候から力強い果実味やアルコール感を想像してしまいますが、真逆です。島の局所的な気候や彼らの醸造技術により、非常に繊細で複雑で上品な1本となっています。カナリア諸島のワインを初めて飲む方も多いのではないでしょうか。ワイン愛好家の方にも是非お試し頂きたいです！