赤ワイン

2023 Otto Reynard The Great Places / Stolpman Vineyards

▪️ワイン名 / オットー レイナード シラー ザ グレイト プレイシズ
▪️国 / アメリカ カリフォルニア サンタバーバラ バラードキャニオン
▪️生産者 / ストルプマン ヴィンヤード
▪️ヴィンテージ / 2023
▪️ぶどう品種 / シラー
▪️アルコール度数 / 14%


〜 2023年が初ヴィンテージ、夫妻の次男の名前である「オットー」を授けられたキュヴェ。日本への輸入は僅か12本の少量生産！除梗由来の透明感やエレガンスを感じる1本！ 〜


＜生産者・生産方法について＞
設立者のトム・ストルプマンは今から25年前、長く探し求めていた石灰質の土壌をサンタ・イネス・ヴァレーに見つけ、人為的に畑に水を供給しないドライファーミングによるぶどう栽培を今日まで続けてきました。
この地域は霧が湿度を保って夜の気温はとても低くなること、地中90ｍまで石灰層が続いて地表1m程度の層は粘土質で覆われていること等が、ドライファーミングに好条件です。深い地層は水はけがよく、ぶどうの根は下へ下へと伸びて多くの栄養素を吸収します。また、地表に近い層が粘土質であることにより貴重な水分をキープできます。
ぶどうを植えてから最初の5年程度は幹や根を育てるために灌漑をしますが、その後1〜2年の離乳期間を経て、灌漑をストップし生育されます。

「カリフォルニアで最高のシラーを造るなら、ストルプマンのぶどうで」
ローヌ品種のワイン造りを目指す醸造家たちの間ではいつしか合言葉のようになったほど、ストルプマン ヴィンヤードは上質なシラーを生産することで知られています。過去に13回もパーカーから100点を獲得した『シネ クア ノン』にも使われることで知られる彼らのシラーは、地元のオーハイ ヴィンヤードなど著名なワイナリーがこぞって買い付けていて、自社のワインを生産するようになった現在でも他のワイナリーへ供給を続けています。

こちらの赤ワインはストルプマンが手掛けるシリーズの中でも最上位に君臨する ”the Great Places” というシリーズで、それぞれのキュヴェ名に家族の名前が付けられています。WINE BROTHERSでは奥様、長男、次男の3種を取り扱います。どの銘柄も生産量が非常に少ないうえに世界中ワイン愛好家からの需要も多く、日本国内へ入荷するのはわずか1〜2ケースのみです。

この ”the Great Places” シリーズは、2007年に畑の管理者ソラザーノ氏が着手した野心的な自根プロジェクトです。
1エーカー当たり6000本のシラーの木を、75×90cmの急斜面で狭い間隔に自根で植えました。トラクターはもちろん入ることのできない、全て人の手によって管理が必要な非常に手間のかかる畑です。フィロキセラの影響で現在では希少な自根ということもストルプマンの本気を感じます。
 

今回ご紹介するのはStolpman夫妻の次男の名前である「オットー」を授けられたキュヴェです。「ジェシカ」同様に2016年に植樹された1エーカーに満たない畑の自根のシラーを使用しているため、生産量はごく僅かです。日本への輸入も僅か12本のみ！

最上級の区画の有機栽培＆ビオディナミ農法で育ったシラーを手摘みで収穫。上部開放のステンレスタンクで10日間の発酵の後、100%除梗でぶどうの粒のみを使用。その後500ℓの3年使用された旧樽（ローヌのエルミタージュ産）で熟成され、リリースされます。

世界的ワイン評論家ジェームスサックリング氏から98点を獲得しています！

長男の名前が入ったキュヴェ「オーガスト」は60%全房発酵、40%除梗。
奥様の名前が入ったキュヴェ「ジェシカ」は100%全房発酵。
今回の次男の名前が入ったキュヴェ「オットー」は100%除梗です。

オーガストと地続きですが、オーガストが東向きの斜面にある畑に対してオットーは西向きのため、ぶどうの成熟が緩やかです。


＜テイスティングコメント＞
色調の濃い紫がかったダークルビー色の外観。熟したブラックベリーやブルーベリーなど黒系果実の濃厚な香り。スミレの花やブラックペッパー、スターアニスのスパイス、そしてかすかなスモーキーさが混ざった複雑なアロマ。口に含むと非常にきめ細かくなめらかなタンニンが口内を包み込み、同時に豊かな凝縮感のある果実味が溢れ出します。赤系果実の鮮やかさと黒系果実の深みが両立しており、時間が経つにつれて鉛筆の芯のようなグラファイト、ハーブ、土っぽさなど複雑なニュアンスが現れます。
全体を通して他の2つのキュヴェよりも、除梗由来の透明感やエレガンスを感じます！飲み進めれば進めるほど、その複雑な味わいに取り込まれていきます！

ストルプマン自身も『酸素に触れると「底知れぬ青さ（bottomless blues）」が現れ、ワインの雰囲気を深める（Otto少年の深い青い瞳になぞらえられている）』とコメントする程です。

ワインの持つポテンシャルを考えると数年は寝かせたいですが、今抜栓しても時間をかけてお召し上がりいただければ充分に楽しめる1本です！（2025年8月現在）
「オーガスト」「ジェシカ」同様、このシラーは間違いなくカリフォルニアワインを牽引する1本です！


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