白ワイン

2023 Paysan Chardonnay Jacks' Hill Central Coast / I. Brand & Family

▪️ワイン名 / ペイザン シャルドネ ジャックスヒル セントラルコースト
▪️国 / アメリカ カリフォルニア セントラルコースト
▪️生産者 / アイブランド アンド ファミリー
▪️ヴィンテージ / 2023
▪️ぶどう品種 / シャルドネ
▪️アルコール度数 / 13%


〜 レモンや若いパイナップル、ブリオッシュのトーストの香り。火打ち石、湿った火薬、カモミール、芳醇な果実味と酸味、ミネラルのバランスが秀逸な、フランスのシャブリを思わせるクリーンでクリスプなシャルドネ！


＜生産者・生産方法について＞
2007年に妻のヘザーと共にワイナリーをスタートさせた当主のイアン。スタート当時、カリフォルニア モントレーのワインと言えば樽香と”ボテボテ感”を感じるというのが一般に浸透し始めた頃で、このトレンドに一石を投じなくては！と強く感じ、モントレーを産地に選びました。

「ここ20年間のカリフォルニアワインにおいて”発展”と言うものはいったい何だったんだろうか。技術的な進化、クローンの研究、VSP による仕立て、最新の技術を取り入れた醸造器具。これらは果たしてカリフォルニアワインを良くしたのであろうか。むしろワインからも造り手からも魂を吸い取ってしまったのではないのか。情熱や伝統芸が失われてしまったのではないか。」イアンの言葉です。
カリフォルニアの栽培と醸造においての技術的な進化は全てを退化させた と考えたイアンは、モントレーの地で原点回帰を試みます。しっかりと栽培をした畑、そこに実るぶどう、そしてそれぞれの個性を消さない優しい醸造技術と感性こそが、アイブランドの真髄です。
銘醸地のぶどうを使って300ドルのワインを造る事は、資金さえあれば誰にでもできる簡単なことです。イアンが目指すのは産地としては確立しているものの知名度が低く、それでいて素晴らしい、そして安価なぶどう畑がいくつもあるモントレーのカウンティにて、酸とミネラルがしっかりと感じられるワインの醸造をすることです。

イアンの「無理な醸造技術に頼らないテロワールを重視した造り」は瞬く間に評価され、2019年には米国の全国紙『San Francisco Chronicle』にてワインメーカー オブ ザ イヤーに選ばれ、一躍スターとなりました。

そんなイアンのワインは、まさにニューカリフォルニアワイン！“ニューカリフォルニア” とは、従来のカリフォルニアワインのような濃厚な果実味、力強い樽香、タンニン、高アルコールといったスタイルとは一線を画し、エレガントな優しい果実味、低アルコール、滑らかなタンニンなど真逆と言っていいスタイルでありながら、長期熟成にも耐えうるポテンシャルを持っています。また、使用するぶどう品種や醸造方法も個性的な生産者が多いのが特徴です。WINE BROTHERSのバイヤーである私もこの “ニューカリフォルニア” の魅力に取り憑かれ、ワイン留学の行き先をサンフランシスコに決めました。

今回ご紹介するワイン名にもある「ペイザン」はフランス語で「田舎者」を意味します。これはこちらのワインが銘醸地ではなく、誰も知らない（田舎の）産地のぶどうを使って造られるというコンセプトから命名されました。また、イアン氏は見様見真似でワイン造りを学び、正式な醸造学の教育を受けていないことから、「サラブレッドでも何でもない田舎から出て来たような自分でも、しっかりとしたワインが造れる」というメッセージも込められています。

こちらの白ワインは、酸化鉄を含む独特な花崗岩土壌であるサリナス渓谷の東側、ジャックスヒルの麓の冷涼な気候のシャルドネを採用しています。
糖度が上がりきる前の酸度が高い状態でぶどうを収穫。タンクに圧搾して24 時間冷蔵保存。樹齢の若い木のぶどうは主にコンクリートタンクで熟成し、古い木は旧樽で発酵。マロラクティック発酵を経て、澱とともに熟成。7か月後に澱引きしてブレンドしてボトリングしリリースされます。


＜テイスティングコメント＞
透明感のあるレモンイエローの外観。レモン、若いパイナップル、ブリオッシュのトーストの香り。口に含むと火打ち石、湿った火薬、カモミールを感じます。アタックに感じる果実味、後から溢れる酸味とミネラルのバランスが秀逸かつ個性的な1本。
フランスのシャブリを思わせるクリーンでクリスプなシャルドネです。飲んだ時にカリフォルニアの乾いた澄んだ風を感じました。万人受けする味わいですのでギフトにもオススメです！


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